「東京大学」
なんとも良い響きである。
しかし、もちろんすべての東大受験生が東大に合格できるわけではない。
残念ながら東大に不合格となった学生は早慶を始めとする滑り止め大学へ進学する。
早慶に進学し、心機一転し大学生活をエンジョイする学生も多いが、中には東大への夢を諦めきれずに仮面浪人という選択をする学生もいる。
社会人になった今、かつて僕の周りにいた東大志望の仮面浪人生たちが現在どうなっているかを記してみたいと思う。
僕は河合塾本郷校出身の人間なのだが、こちらの予備校では「東大以外大学ではない!」というくらいの洗脳をされるため早慶に進学した多くの学生が東大への夢をあきらめきれずに仮面浪人への道を選択するのである。
今回はそんな、東大志望の仮面浪人受験生たちの末路、人生をノンフィクションでブログに記してみることにする。
また、今回の記事に登場してくる仮面浪人生たちはみな僕と同年代のため、現在アラサーに差し掛かってきていることも付け加えておく。
仮面浪人をして東大を目指す受験生たちは是非今回の登場人物たちから教訓を学び、現実を受け止め、仮面浪人という選択について考えてほしい。
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目次
そもそも仮面浪人とは?
まず、仮面浪人生ってなんぞや?
という方のために仮面浪人についての説明をしておく。
仮面浪人生とは「大学に入学しておきながら、別の大学に入学するために大学受験勉強をする学生」のことである。
要は希望通りの大学に入れなかったけど普通の浪人は嫌だからひとまず保険で大学に入っておいて、来年の大学受験で希望していた大学に入ろう!という魂胆のある学生のことだ。
では、本名を出すといろいろ問題があると思うので匿名で河合塾本郷校出身の仮面浪人生たちの実態とその後を書いていきたいと思う。
ちなみに、ブログの題名の通り今回登場する人物たちはみな2浪の東大志望仮面浪人生である。
「2浪」「東大志望」「仮面浪人」
これらの3つのワードを頭にとどめておいて、記事を読んでいただきだい。
仮面浪人サンプル1号「大学辞めすぎて彼女に振られた」
3校以上の大学に在籍経験があり、当時付き合っていた彼女から、「そんなに大学を辞める人とはもう付き合えない」と言われて振られた経験を持つ。
高校時代は河合全統模試で国語全国一位という輝かしい実績を持つ。が、数学が壊滅的にできなかったため東大二次の数学で0点という破天荒な数字を叩き出し、一浪時は滑り止めの某私大に進学した。
しかし、滑り止めの某私大に入学後、初対面の内部生に
「あなた、二浪っすか?w」
と言われたことに屈辱を感じ、某私大を二か月で中退。
「東大より上の大学に行く!」という一言を言い残し、イギリスに飛び立った。
ここまではかっこいいと思ったのだが、失敗してすぐ日本に帰国してしまい、その後何を言い出すかと思えば、「やはり東大に行く!!」と言い出し、二浪で東大再受験を志した。
東大専門の現役生ばかりが集まる塾に通っていたらしいが、二浪(というか浪人)が彼だけらしく、先生には質問を受け付けてもらえず、指名も彼の番だけ飛ばされるという差別を受けていたらしい。
各大学の授業にもたくさん潜っていたらしく、一橋や東大の授業を褒めちぎっていた。受験生は他にやることあるだろ!と突っ込みたくなるが、そこはこらえる。
二浪時には東大と防衛大を受験。
東大には不合格であったが、防衛大に見事合格を果たした。
ちなみに彼は防衛大学を現役時から3年連続で受験しており、3度目の防衛大の面接では、
「あなたは過去2回我が大学を受けて合格して辞退していますが、遊びで我が大学を受験しているのですか?」
と聞かれたらしく、受け答えに窮したらしい。
が、うまく切り抜け防衛大学に3年連続の合格を果たした。
東大には不合格であったため合格していた防衛大にそのまま進学したものの、パリ士官学校に派遣されるという事実を知り大学入学後半年ほどで中退。
現在は某大学の大学院に在籍し、超一流企業の内定を保持している。やはり優秀な人間は経歴がどうであろうと優秀なのである。
仮面浪人サンプル2号「プロ仮面浪人」
一浪時は東大文一に出願し、文二文三なら受かっていた点数だったが文一には届かず涙を飲んだ。
その後、早稲田で仮面浪人を経験することとなる。
早稲田に入学する際に、彼はmixiで「おれはプロ仮面浪人を目指します!!」という宣言文を書いた。
プロ仮面浪人とは、大学の講義、サークル活動などを完璧にこなしつつ、受験勉強も完璧にこなし、希望大学に入学するというもの。
宣言通り、彼の早稲田入学後の合コン回数は7回ほどで、死文Fランチャラ男の名を我が物にした。
二浪時には満を持して文一に出願するも、再び文二文三なら合格していた点数で文一不合格。
二浪時のセンター試験前日に新宿歌舞伎町をうろついて
「お兄さん!女の子どうっすか??」
と勧誘する風俗のお兄ちゃんに対し、
「いや~、ぼく明日センター試験なんでw」
と返答する遊びをしたのが祟ったのだろうか。
結果、早稲田でも留年が決定し、プロ仮面浪人成功への道は閉ざされたかに見えた。
しかし、それでも自称プロ仮面浪人はめげなかった。三浪時にはどうしても東大に受かりたいという理由から文三に出願し、見事文一、文二でも合格している点数で東京大学文科一類に合格した。もし不合格であれば早稲田二留が決定していただけに、背水の陣で挑んだ受験、見事勝利を収めた。
紆余曲折した道のりであったが、現在、彼は進振りで農学部に進学し、持ち前のチャラさで多くの女の子のハートを掴むとともに研究に明け暮れ、省庁のインターンシップなどに参加している。
2017年度は公務員試験を受験し、1次を突破したようである。
既にアラサーに差し掛かってきてはいるが、公務員は若ければ年齢はそこまで関係ない。
試験が得意なプロ仮面浪人生の未来は明るい。
仮面浪人サンプル3号「カバ」
一浪時には90点という大差で東大に落ちるという悲劇を味わいながらも、東大への道を諦めきれず多摩の山奥の某私大法学部で仮面浪人を経験
ちなみにこのニックネームは彼の顔がイソジンのキャラクターであるカバに似ていることからつけられた。
また、ガリガリ君にも似ている。そんな顔である。
予備校時代には「あの先生の授業神だわ〜」とか言っておきながらその先生の授業で寝ていたり、「おれ数学得意なんだよね〜」と言っておきながら二次の数学の点数が9点だったり、なかなか本末転倒なことをしていた。
大学に入ってからは、神の授業を行っていた先生のプリントを大学構内で歩き読みしたり、大学への数学を大学構内で読んだり、傍から見れば痛いことをしていた。
また、大学へ入学して性に目覚めたらしく、「大学生で童貞とかありえなくねw?」と一時Facebookに投稿していた。Facebookに投稿するような内容では決してない。
また一時はFacebookで女子と友達になったことを自慢してきた。FaceBookで女子と友達になったことが誇れるのならば、それほど幸せなことはないであろう。
ちなみに大学2年時の夏に彼と会ったときに、彼にはまっているものを尋ねたら、一言
「宗教」
という言葉を言い放った。現在彼は消息不明である。
仮面浪人サンプル4号「うそつき」
嘘ばかり言うためこのあだ名が付けられた。
予備校で初対面の時、
「去年どこの大学受けたの?」
と尋ねたら、
「んー。忘れた。」
という衝撃的な回答が返ってきたのを今でもよく覚えている。
自分の受験した大学を忘れることなんてあろうか。
やたらチャラく、よく女子を引き連れて東大模試A判!!とか言っていたが、なかなかの虚言癖の持ち主で、実は大した事無い成績だったらしい。
受験は失敗したが、どうせいずればれるのにも関わらず何故か「早稲法受かった!!!」と嘘をついた。
大学が始まってからもちろんそれが嘘ということはばれた。
早稲法に通っている訳は無く、自宅で二浪を経験した。
二浪でも受かるはずがなく、結局は親のコネで海外の大学に進学した。うらやましい限りである。
まとめ
以上、2浪で東大を目指して仮面浪人を決意した受験生たちについてまとめてきた。
最後の人、仮面浪人じゃねえじゃん!!!という突っ込みがありそうだが、そこはご愛敬である。
ただ、なんだかんだで仮面浪人を志すくらい意志の強い人は、やはり優秀だ。
みんなそれなりの人生を歩んでいる。
花火のような華々しい人生を歩むのも、それはそれで面白いと思う。
大体若い時は一度しか来ないのだ。
一度きりの人生、他人の目を気にするよりも自分の目標に向かって突き進めることのほうが幸せではなかろうか。
文章おもしろいですね。声に出して笑っていました。
真面目な話ですが、脳は「優秀な人ほど発達が遅く(神経が複雑すぎて繋がらるのに時間がかかるため)」、従って、18~20歳時点では本当の頭の良さは測れないそうです。
30歳くらいで大抵の人は完成(神経が繋がるという意味)するそうなので、30歳前後で受験勉強してみることをお勧めします。実際に高卒で働いていて20代後半で受験勉強を始めて、勉強後1、2年で東大に入学した人を何人も知っています。
本当に優秀な脳だと50歳過ぎてようやく完成するそうです(それまでは以下略)。
ありがとうございます。
全て実話となっていますので、僕というよりは彼らが面白いのです笑
脳のそのお話は初めて聞きました。
そうすると、幼いころから優秀な人は実は優秀ではなかったという可能性もあるのですかね。
僕も仕事がひと段落付いたら受験勉強を再開してみることにします。
コメントありがとうございました!
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