上位国立大学を志望しながら早慶を滑り止めに考える学生は文系であっても数学受験をすることになると思います。
数学が苦手だから…なんて甘優しいことは言ってられません。
ということで本日は、文系で数学を苦手としながらも慶應経済に一般入試で合格した僕が文系数学で偏差値70以上を取る具体的な勉強法を記事にしようと思います。
僕は元々数学は反吐が出るくらい苦手でしたが、僕は以下の方法で河合全統模試の数学で偏差値70を取り、おかげさまで大学入学後も学部で勉強する数学には全く困ることはありませんでした。
大学在学中には塾講師としても高校生に文系数学を教え、数学が苦手な文系受験生でも数学で偏差値70を取るための方法論を確立したので今回それをお話します。
※あくまで文系数学のお話をします。理系数学のことはわかりませんので。
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文系数学は暗記である
まず初めに受験数学についてお話しようと思います。
受験数学で出題される数学には2パターンがあります。
1つは解法暗記型、もう1つは実験試行型です。
解法暗記型とは、解答方法さえ暗記してしまえばそれを応用するだけで解けてしまう問題のことを言います。
実験試行型とは、問題に書かれている文章から理論を組み立てとある数学の法則を導き出し、解答を導き出す問題のことを言います。こちらは解法パターンをいくら暗記していたところでムダで、その場で実験をして法則を導き出す数学のセンスが必要になってきます。
文系数学では、少しの例外を除きほとんどの数学の問題が前者の「解法暗記型」に当てはまります。
※少しの例外とは、上位国立大学の数学や早稲田商学部の数学の問題が当てはまります。
上位国立大学では思考力を要求する実験試行型の問題を好みますし、日本一難しい文系数学を出題してくるので有名な早稲田商学部では毎年必ず大問3で実験試行型の問題を受験生に解かせます。
東大や京大を狙わない限りは実験試行型の数学を解けなくとも受験には受かりますし、文系で偏差値70以上を取るためには解法暗記型の数学さえ解けてしまえば十分なんです。
というわけで結論を言うと、文系数学は暗記なのです。
とは言っても、歴史のようにただひたすら丸暗記すれば良いという問題ではありません。
解法を理解しながら暗記するということです。
基本的に文系入試で出題される数学の問題はそのほとんどが解法の暗記で解けてしまいます。
暗記してきた解法パターンを組み合わせて解くイメージです。
そのため、文系数学の勉強においては
基本問題の解法の暗記
↓
暗記した解法パターンをいかに問題に当てはめるか演習問題で検証
↓
実践問題で訓練
この作業を永遠に行うことが基本になります。
すなわち、暗記している解法パターンが多ければ多いほど、暗記している解法パターンをいかに問題に応用するかを体得していればいるほど、文系数学の偏差値が上がることになります。
受験文系数学では、「数学」という学問を勉強しているわけではなく、あくまで「受験数学」という科目を勉強しているに過ぎないので、受験数学をマスターしようと思ったら暗記でうまくいってしまうのです
具体的な勉強法
基礎編
まずは基本的な高校数学を勉強することから始まります。
とにかく高校数学の基本となる問題の解法をひたすら暗記しましょう。
基礎問題の解法暗記のための教材は、旺文社出版の基礎問題精講という参考書になります。
レベル的には普通高校の数学の教科書よりも少し難しく、4STEPの問題集よりも少し簡単なくらいです。
これに掲載されている基礎問題を全て丸暗記しましょう。
(演習問題は参考に解く程度で暗記しなくても大丈夫です)
丸暗記と言っても、一回ちゃんと自分で解かなきゃだめですよ。
要は全ての問題を瞬時に解答できるレベルにしましょう。
目標は問題を見た瞬間に頭の中に解法パターンが思い浮かぶレベルになること
ひたすら反復練習をすることになりますね。
ぶっちゃけ、基礎問題精講に掲載されている基礎問題を全て解けるようになれば河合の全統模試で数学の偏差値65は軽く超すでしょう。
この問題集はそれくらい高校数学の基礎を網羅しているのです。
そして、この問題集の何が良いかというと、分量が少ないので一周するのが非常に簡単だということ。
数学の教科書に付随してくる4STEP問題集あるじゃないですか。
数学の基本問題の解法を網羅しようと思ったらこの問題集使ってもいいんですけど、いかんせん量が多いんですよね。
一方で基礎問題精講は高校数学の基礎問題がコンパクトにまとまっているので、1カ月もあれば1A2Bともに一周はすることが可能です。
勉強はモチベーション命なので、分量が多いとそれだけで嫌になってしまいます。
薄っぺらくて先が見えれば頑張れるじゃないですか。
そして、基礎問題精講を勧めると多い質問が、
「チャートじゃダメなんですか???」
という質問。
これに関しては、「モノにできる自信があるならやれ。」という感じ。
僕の経験則から言うと青チャートしこしこ解いてる人は大抵挫折して途中で諦めますよね~
量が多すぎるんですよ青チャート。あの分厚い本を全てマスターするなんて相当時間がないと無理ですし、ヘロンの公式とか特に覚えなくても良い解法まで載ってるんです。
要するにチャートは分量が多すぎてムダが多いのです。
確かに数学を網羅的に理解することは可能かもしれませんが、受験科目は数学だけではないですし、いかんせん国公立志望の人とかだと他にやることも多いので時間的に無理が生じるのです。
高校数学の基礎を短時間で、網羅的に理解するという意味で旺文社の基礎問題精講は圧倒的に向いているのです。
応用編
さて、基礎問題精講をマスターしたら今度は応用問題を解いてみましょう。
基礎問題精講でマスターした解法を応用して解く問題集はこれです!
「マセマの実力UP問題集」
標準問題精講じゃないの??
と思った皆さん、これには理由があります。
旺文社の標準問題精講、標準問題と題してるくせに全然標準問題ではないのです。
例えればさっきまでスライムと戦っていたのに急に魔王と戦うことになった感じ(ちょい大袈裟か)
かなりの応用問題が揃っており、基礎問題精講をマスターしたくらいでは太刀打ちできない問題がほとんどです。
そりゃあ数学センスのある人が解けば基礎問題精講の知識だけで解けるかもしれませんが、コテコテの文系頭で数学センスのない人がこれをやっても苦しむだけです。
僕は苦しみました。
ということで僕はマセマの実力UP問題集を推します。
マセマの実力UP問題集は基礎問題精講の解法パターンを応用して解けるか解けないかくらいのちょうどいい問題が勢揃いなのです。
東大や京大、早稲田商学部クラスの難しい数学の問題というわけではなく、かといってMARCHクラスの簡単な数学というわけでもない。
偏差値65~70くらいをうろつく丁度良い数学の問題が揃っています。
これらをマスターすれば、もう全国模試では余裕で文系数学偏差値70を超すレベルには達していると思います。
私立文系の数学も早稲田商学部を除けばほとんどの学部で合格点を越せるレベルにはなっているでしょう。
(ちなみに早稲田政経や慶應経済の数学はマセマの実力UP問題集の数学よりも簡単です)
発展編
さて、上記2種類の参考書をマスターしたら次は過去問をひたすら解き始めましょう。
基礎問題精講とマセマの解法を本当に理解していたら、恐らく私立文系志望の人は
「えっw私立文系の数学ってこんなに簡単なのw」
と驚くことでしょう。
現に僕も驚きました。
早稲田政経とか慶應経済クラスであっても、今まで紹介した参考書の数学解法パターンを全て暗記していたら超簡単に問題解けますからね。
私立文系を目指す人はこれで恐らく数学が足を引っ張ることはなくなるはずです。
そもそも私立文系は数学受験の方が圧倒的に有利なんですから….
では次に東大、京大、一橋などの難関国立を目指す人たち。(あと早稲田商学部)
基本的には過去問をひたすら解いていくのが最も良いと思うんですが、それでも足りないと思ったらこれをやりましょう。
「文系数学の良問プラチカ」です!
河合塾出版の言わずと知れた良問問題集、文系数学の良問プラチカです。
理系数学のプラチカよりも難しいと評判ですが、特に受験数学の傾向が色濃い一橋大学の数学対策には有効だと思います。
あとは実験試行型の問題の対策をしたい人は「大学への数学」でもやりましょう。
これは好き嫌い分かれますが、ここまできて数学が好きになった!!と思える人はやってみるととても楽しく感じられると思います。
「大学への数学」は今まで紹介した問題集と違ってただの解法パターン暗記にとどまらず、数学の本質を教えてくれる参考書ですので。
最後に
以上、文系数学で偏差値70以上を取るための勉強法でした。
発展編は自分の志望する大学のレベルに合わせてやるかやらないかは決めればいいと思いますが、基礎問題精講の基礎問題をマスターすることは絶対です。
私立一本に絞るのであったら、基礎問題精講とマセマをマスターした後に過去問を解けば十分すぎると思います。
と、いうことで文系数学の勉強法をお話してきました。
題名は偏差値70を目標にしていますが、いくら偏差値70を取ろうと志望校に合格しなければその勉強はムダになります。
この記事を参考にしながら、志望校に受かるための勉強法を是非とも心掛けましょう。
ちなみに、今回の内容につきましては僕のYouTubeチャンネルにおいてもさらに詳しく喋っております。
こちらになります→文系数学で偏差値70以上を取るための超具体的な勉強法(YouTube動画)
その他、本ブログでは書ききれなかったこともYouTubeでは喋っておりますので、よければチャンネル登録お願いします!
↓
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基礎問題精構を終えるとセンターはどれくらい取れるようになるでしょうか?
コメントありがとうございます。
それは個人差があり数学のセンスにもよりますが、全ての項目を完全に理解し、実際に演習問題も行って解き方をマスターしているならば7割ほどは取れるようになっていると思います。
ただし、センター数学の問題は数学力を問うというよりは解答の処理速度を問う独特の形式ですのでそれ専用の対策をしていないと厳しい戦いになると思います。
センター数学には様々なテクニック的要素がございますので、おいおい本サイトにて紹介していければと思っております。
回答になっておりましたでしょうか?
またご質問があれば気軽にコメントをよろしくお願い致します。
わかりました。
更新されるのを楽しみにしておりますm(_ _)m
教材において質問なのですが、基礎問題精構とマセマの元気がでる数学で迷っています。
僕はセンターはIA ⅱB どちらも40点くらいでいきなり基礎問題精構は難しいかなと思いながらも元気が出る数学はちょいとページ数が多いなと悩んでいます。
どちらを進めていけばよいでしょうか?
よろしくお願い致しますm(_ _)m
返信遅れて申し訳ございません。
基礎問題精講が難しいと感じるのであれば、元気が出る数学を参考書代わりにして基礎問題精講を進めていくというスタンスではいかがでしょうか?
元気が出る数学のほうがよりかみ砕いて基礎数学が解説されておりますし、文字も大きく見やすいです(説明が丁寧さ故のページ数でもあります)
ちなみにですが、基礎問題精講も高校数学の教科書とそこまで変わりのない演習問題ですので、高校数学の教科書を片手に問題を解けば内容は理解できるはずです。
なんだかんだで高校数学の教科書が最も基礎数学についてわかりやすく、丁寧に記載されておりますので、一度原点に立ち返って高校数学の教科書を復習してみることもオススメいたします。
返信ありがとうございますm(_ _)m
なるほど!わかりました!!
基本は基礎問題精講を進めていき、わからないところは教科書と元気がでる数学で見直していこうと思います!!
ありがとうございましたm(_ _)m
また質問すいません。
タコペッティさんは数学を勉強する際、基礎問題精講と実力up問題集しか使わなかったのですか?
また実力up問題集などでどうしても解説がわからないというときはどうしていましたか?
私はその2つの問題集をやりながら、過去問と模試の問題の復習をしていました。あと別途でセンター数学ですね。
正直、その2つだけやっていれば大学に合格するかというと間違いで、その2つはあくまで数学の体力をつけるためのものです。
大学に合格するにはその大学の過去問を解きまくることが必要になってきます。過去問は解けなくてもよいので早めに解いて傾向を掴んでおきましょう。
いくら考えても解説がわからない場合は放置して先へ進めます。そして一カ月くらい経った後にまた解答を見直してみます。そうすると不思議なことに一カ月前にわからなかったことが理解できている場合が往々にしてあります。
脳とは不思議なもので、本人は忘れていても脳のどこかで記憶が熟成されて以前はわからなかったことがわかるようになるのです。
例えば確率漸化式なんかは最たる例で、あの抽象的な理論は初見で理解しろと言うほうが無理です。
しかし、確率漸化式の問題をわからずとも一カ月おきくらいに何度も解いてみると知らぬ間に理解が進むものなのです。
数学とはそういう分野です。
ちなみに基本的な分野だからどうしても今すぐ知りたい!という場合は私宛にメールなりお問い合わせなりしてくだされば答えますので、お気軽にご連絡ください。
返信遅くなって申し訳ございません。m(_ _)m
ご丁寧にありがとうございます!ほんとに助かりました!
わからないことがあればまた連絡させていただきます!!
英語の勉強法について詳しく教えて下さらないでしょうか?m(_ _)m
返信遅れて申し訳ございません。
コメント欄ですとレスポンスも遅くなってしまう上にあまり突っ込んだ話もできませんので、今後私のメールアドレスか、LINEに連絡を入れてくださらないでしょうか?
私のメールアドレスはtakomiyusu@yahoo.co.jp、LINE IDはtakomiyusuになります。
以上の私の連絡先のどちらかに、今野様の現在の英語力(模試の偏差値等)とどの程度まで英語力を上げたいのか(志望校等)を記載してご連絡くださらないでしょうか?
現状の英語力と目指す学校によって勉強法や使用する参考書は全く異なってきますので、現状の今野様の英語力に合わせたご提案をさせて頂きたいと思います。
お忙しいところ恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。
黄チャートの星3レベルまでの基礎を固めてから、良問のプラチカへ移るという考えはいいですか?
ご質問ありがとうございます!
私はチャート否定派なのでチャート自体はオススメしていませんが、良問プラチカはかなり難しいので間に何か挟んだほうがいいと思います。
ちなみに志望校はどちらでしょうか?
東大、一橋クラスでなければ良問プラチカは不要とも思います。
志望校は神戸大の経済学部です。地歴が苦手なので、私立は数学で受けようと考えてます。私立は狙えれば早慶レベルを受けたいです
今標問ⅠA を40まで進めたところでこのサイトを見つけたのですが、今から合格数学に移るのとどちらが効率的でしょうか?
また、過去問をひたすらやるというのは具体的にはどうのような流れでやるのでしょうか?
その大学の他の学部の過去問もやった方がいいのでしょうか?
コメントありがとうございます。
標準問題集は私の経験上伸びませんので、今すぐ合格数学に移った方が良いと思います。
過去問をひたすらやるというのは文字通り過去問を暗記するくらいまで解くということです。
志望校がどこかわかりかねますが、早慶志望であれば被ることも多いのでいろんな学部の問題を解いておくといいと思います。
回答してくださり、ありがとうございます。
志望は中央 法学部です。
追加で質問なのですが、基礎問をやっていて感じたのが、標問と同じプロセスで解く問題において、標問と比べて精講の説明が少なくて分かりにくいと感じました。
基礎問と被っているところを標問でやるのはありですか?
また、基礎問の代わりに元気が出る数学を代用するのはありですか?
重ね重ね質問申し訳ないのですが、合格数学の方ではなくなぜ実力upの方を勧めているのでしょうか?
返信遅れて申し訳ございません。
基礎問と被っているところを標問でまかなうのはオススメしませんね…
なぜなら標問は難しすぎるからです。
それでしたらまだ元気が出る数学を代用するほうがいいと思います。
また、実力UPを勧めているのは、数学の基本を全てマスターしている状態ならば、実力UPに掲載されている問題は実にちょうど良い難易度の問題だからです。
何度も質問すみません。
基礎問題精講1A、2B⇨実力up問題集1A、2Bという順番と、基礎問題精講1A⇨実力up問題集1A⇨基礎問題精講2B⇨実力up問題集2Bという順番ではどちらの方がいいでしょうか?
返信遅れてしまいまして誠に申し訳ございません。
その中では圧倒的に前者がオススメですね。
なぜなら後者のやり方だと、2Bが後回しになってしまい、受験当日に間に合わない可能性が出てくるからです。
前者ですと基本はマスターできますので、基本を理解した状態で本番を迎えることができます!
はじめまして。
ブログの記事を読ませて頂きました。
数学受験で文系を狙う自分には、うってつけの記事でした。
そこで、ご相談したいことがあるので、上記のコメント欄に掲載されていたメールアドレスに、ご連絡差し上げてもよろしいでしょうか?
もしよろしければ、ご返信して頂けると幸いです。
どうぞよろしくお願いします。